キモノは振袖だけですか?

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みなさま、ごきげんよろしゅうございます。

寒さも一段落して、外歩きの予定もどんどん入ってくる春。

手帳のページが一番にぎやかな季節ではないでしょうか。

春が来たということは、社会的には年度末、ということ。

お世辞にも景気がいいとは言えないわが国の経済状況。

華やかな呉服業界も、もちろん影響を受けています。

 

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京都きもの友禅の純利益74%減 13年3月期

京都きもの友禅は19日、2013年3月期の連結純利益が

前期比74%減の4億4300万円になる見通しだと発表した。

従来予想は13%増の18億円で、一転して減益になる。

レンタル業者との競争激化などで振り袖の販売に苦戦しているほか、

東京都内の店舗の減損損失10億円を計上する。

連結売上高は5%減の166億円と、従来予想を19億円下回る。

レンタル業者との競争が激しく、1月から振り袖を購入する消費者の来店客数が減少傾向にある。

一般呉服や宝飾品の販売も低調で、受注高が計画に届かないもようだ。

(日本経済新聞)

 

 

 

 

京都きもの友禅といえば、「ハタチは一生もの」のCMコピーでおなじみの、大手呉服メーカー。

成人式の振袖をこちらで購入されたお嬢様もたくさんいらっしゃると思います。

呉服メーカーは大小さまざまありますが、同社は比較的安定した経営を続けていたので、

今回の大幅下方修正には正直驚かされました。

会社側からの修正理由は、ずばり「振袖売り上げ不振」

昨今の業界事情が如実に現れています。

今、着物業界を支えているのは圧倒的に成人式振袖なのですが、

出生率ガタ落ちの日本で、これが先細りアイテムなのは火を見るより明らか。

まして、レンタル店や古着業界との競争激化に加え、

昨今の不景気で、以前だったら姉妹に一枚ずつ購入していたご家庭が、

お姉ちゃんの振袖を着まわしたり、中にはお母さんの着物を引っ張り出して、

帯だけ購入したりと、なかなか財布の紐を緩めてくれません。

成人式振袖は、一枚売れば周辺小物とあわせて50万円以上は見込めるわけですから、

一人でも他店にお客を取られたり、購入を見合わせてしまえば、痛手は非常に大きいのです。

戦後の着物離れを受けて、なんとかして晴れ着だけでも、

と、高価な着物を販売して糊口をしのいできた呉服業界。

ユニクロを見習え、とは言いませんが、もう少し日常に着る着物にも目を向けて、

一年を通して需要を拡大していく道を模索していかなくてはいけません。

そのためにも、着物を着る人を増やす=自分で着付けが出来る人を増やすことが、

遠回りでも、一番効果的な売り上げアップにつながるのではないでしょうか?

業界の人が知らないだけで、自分で着物が着られる若いお嬢さんは、最近結構増えています。

ただし、こうした潜在的着物愛好者は、呉服業界のお客様とみなされていないのも事実です。

それはなぜか。

お金を持っていないからです。

月収20万円そこそこのOLさんが、30~40万円の着物を、

「一生ものですよ~」なんて言われたって、買えるわけありません。

若いお嬢さんたちは、ワンピースくらいのお値段で着物を買いたいのです。

呉服屋さんは、一枚何十万円の着物買ってもらえないと、割にあわないと思っている。

(事実、呉服店には1万円以下で買える着物なんてほとんど置いてありません)

これでは着物好きなお嬢さんたちは、古着屋さんに行ってしまいます。

さて、もういい加減、晴れ着に食わせてもらう経営を見直して、

色々な価格帯の着物を、様々な年齢層に合わせて提供していかないと、

数年後には、東証一部からも転げ落ちちゃった・・・。なんてことになってしまいますよ!

 

文責/篠井 棗

 

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