針を弔う。

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みなさま、ごきげんよろしゅうございます。

本格的な寒さの如月二月。

駅のホームで電車を待つわずかの時間でも、体が芯から冷えてしまいます。

雪の予報が間断なく発信される天気予報を聞くだけで、寒さが一段と増した気がしてしまうのは私だけ・・・?

暦の春と現実の春の訪れに時差があるのは、仕方ないですね

春色の着物を点検しながら、気温の高まりを気長に待ちましょう。

 

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針供養:感謝の心で

奈良きもの芸術専門学校(奈良市小西町)の学生ら約30人が6日、奈良市の大安寺で「針供養」を行った。

折れ曲がるなどして使えなくなった針に感謝し、技術向上を誓った。

同寺本堂で河野良文貫主らが読経する中、学生らはこんにゃく(直径約15センチ)

に次々と針を指していった。

和裁テクニカル学科2年の西森綾さん(20)は

「1年間使ってきた針を供養し、明日から気持ちを新たに和裁に取り組みたい」と笑顔をみせた。

(毎日jp)

 

 

 

2月8日、もしくは12月8日に行われる「針供養」

古くは漁師の釣り針なども針供養の対象だったようですが、最近では和裁・洋裁などの仕事をする方が、

一年間で溜まった折れ針・古針を寺や神社に持ち寄って供養しています。

東京では浅草寺淡島堂での針供養が有名で、毎年たくさんの人が愛用した針を持って訪れます。

裁縫をする女性の技術上達を願うと共に、毎日針仕事に精を出す女性が、この日だけは針を持たず、

ゆっくり指を休めた「針供養会」。

女正月とも言われる小正月の風習にも似ていますね。

さて「針供養」の方法、地域によってはこんにゃく以外に、豆腐や餅に針を刺すところもあるそうですが、

「やわらいもの」に刺すのはどこも一緒のようです。

長く使用した和裁の折針・古針に感謝を込めて、この日、やわらかい食べ物にそっと刺す。

たっぷり酷使した針への最大限の感謝として、最後くらいは柔らかい寝床に刺して休ませてあげたい・・・。

こうした温もりのある風習は、仕事の道具に対する日本人らしい繊細な気遣いから生まれたのでしょう。

日頃着物は着るけれど、縫い物はまったくダメ~という方も、丁寧に仕立てられた着物を着る時、

ちょっとだけ美しい縫い目に目を凝らしてみてはいかがでしょう。

針一本まで大事にしながら仕事をしている、和裁士さん達の「心意気」を感じる事が出来るかもしれません。

 

文責/篠井 棗

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