高価格=格上。ではありません

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みなさま、ごきげんよろしゅうございます。

10月だというのに、長雨が続いたり台風が来たりと、大騒ぎな日本列島。

その上総選挙も重なったので、22日のテレビ中継はてんやわんやの状況でした。

でもなぜか台風よりも選挙優先のテレビ局が多く、警報がテロップで当落情報が中継って、どう考えても一般市民の要望は逆だろ!と思った次第です。

 

 

 

そんな例年予報を裏切るほど荒れた天候の秋ですが、本来でしたら着物のハイシーズン

七五三やら結婚式やらで、平日土日関係なく着物着付けの依頼はやってきます。

 

方々で着物姿を目にする機会も多く、見かけるたびにガッツリ拝見してしまうのですが、

先日、かなり驚愕の和装を目撃してしまいました。

 

場所は都内某所、オープンしてさほど経っていないホテル。

アーバンとかスノッブとかハイセンスとか、シャレオツ片仮名用語がてんこ盛りに並べられそうな、気合の入ったラグジュアリーホテル。

昨今の和ブームに乗ってなのか、全体をジャパニーズモダンスタイルのインテリアに統一した、外国人観光客ウケを狙っているのが見え見えのホテルです。

 

所用でフロント前にいたところ、エレベーターから意気揚々と現れたのは和装の新郎新婦。

しかし、その姿に私は唖然としてしまいました。

 

新婦は総絞りの振袖、そしてなんと!新郎は紬のアンサンブル(羽織+着物)!!!

思わず目を凝らしてしまったのですが、どうみても紬です。色半衿に黒足袋、袴もなし。

カジュアルなパーティー?とも考えたのですが、周りにホテルスタッフ数名が付き添っていたので、どう見ても婚礼なのです。

 

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どうした!誰か教えてやれ!

ていうか、カジュアルレストランならまだしも、高級ホテルを謳っているのに、ウェディングスタッフは誰も止めなかったのか?

 

念のため書き添えておきますが、紬はどんなに高価格でも紋付よりも格下になります。

袴を付けなければ尚更、着て行けるのは観劇や会合などカジュアルシーン限定です。

結婚式の着物は、当然第一礼装が基本。お客様も礼装で参列するわけですから、お迎えする新郎が紬に袴も付けないなんて、大変な失礼にあたるのです。

 

ウェディング列席にケリーバッグ(=ビジネスバッグ)を持ったり、ジーンズ姿だったりするのと同じような間違いだと言えばいいでしょうか。

 

たぶん御本人は、お手持ちの着物で一番高価な着物を選ばれたのでしょう。

着物の知識のない方だと、せっかくの高級紬も着て行く機会がない、でももったいないから結婚式で!と安易に考えられたのかもしれません。

 

一般の方でしたら、着物の格を知らなくてもいいのです。

しかし、それではいったい何のためにウェディングスタッフがいるのでしょうか?

しかも高級ホテルという触れ込みなのに、そんなことも知らずに(それとも自由な結婚式が出来ますという売りで、新郎新婦の好きなようにさせている?)新郎新婦に恥をかかせるなんて…

 

スタッフ教育がまるでなっていない。

和を基調としたインテリアは、外国人客には受けがいいでしょう。

しかし、自国の衣装マナーも徹底できないようでは、ホテルとしての品格に大いに疑問が残ります。

 

着物はルールに縛られるべきではありませんが、どこの国にも守るべきマナーは存在します。

ご本人の趣味を押し通して相手を不快にさせていい、なんてことは決してないのです。

 

新郎本人の知識云々ではなく、ホテル従業員の質が問われる大問題。

非常識極まりない、残念な場面を目撃してしまい、げんなりした一日だったのでした。

 

文責/篠井 棗

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