三位の文官 夏の装束

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みなさま、ごきげんよろしゅうございます。

七夕ですね

嘘ですごめんなさい。

本当は七夕に書こうと思ったのですが、上手くまとめられず、今さらになってしまいました。

旧暦の七夕はこれから・・・ってことで。

 

 

 

着物が好きな方は時代衣装にも興味のある方も多いと思います。

特に平安時代の優雅な女房装束(十二単)を、

婚礼衣装に着てみたい・・・と憧れている女性もいらっしゃると思います。

ただ、さすがに白無垢や色打掛と違い、一般人の我々が実際に目にする機会はなかなかありません。

 

今では正式な装束は皇族の行事でしか使用されることはありませんが、

七夕前の7月5日、渋谷区神泉にある高倉流道場(装束を着付ける“衣紋道”には高倉流と山科流の二つの流派があります)にて、三位の文官の夏束帯着装を拝見する貴重な機会を得ました。

 

衣紋道高倉流ホームページ

 

会場入口には、乞巧奠(きっこうでん=七夕)のしつらえが飾ってあり、

梶の葉も水を張った耳付きたらいに涼し気に浮かんでいます。

笹の葉を飾るのは江戸時代の庶民が願いを書いて立てかけたからとの事。

本来の行事では「梶の葉」に願いを書いて飾っていたのだとか。

今ではすっかり忘れられてしまった本来の形式が、きちんと受け継がれているのですね。

 

高倉流道場の室内で冷たいお抹茶とお菓子をいただいた後、いよいよ束帯の衣装着付けが始まります。

男性モデルに小袿姿の女性二人がかりで着付けていきます。

優雅な雰囲気の平安装束ですが、男性貴族の場合、その衣装にはすべて決まりごとがあります。

まずは身分。

何位の位を持っているかによって、着られる(着なくてはいけない)衣装の色・文様に定めがあります。

これは小物も同じです。太刀を佩刀する・しないもまた、すべて階級によって決まるのです。

 

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絵巻物で見ると美しい平安貴族ですが、個人のおしゃれ意識なんてものは全くなかった時代なのですね。

服装センスが問われるわけではないので、ある意味楽ともいえますが。

 

現代の着物のルーツは室町地代にある武士の着物なので、

貴族装束が残っているのはわずかに皇族の宮中行事の中だけになっています。

天皇家は、こうした装束文化を継承するという役割もまた担っているのです。

 

普段まったく目にすることのない貴族特有の装束が、少し形を変えながらも、

こうして現代に継承されていることにとても感服しました。

見学に来ている方は女性ばかりでしたが、このような金と手間のかかる(その割にまったく儲からない)

伝統文化を守っていくには、国と皇族はもちろんのこと、

生活に余裕のある女性たちの時間と手間を惜しまない援助が必要不可欠なのです。

 

絢爛たる装束の伝統を守るのは、私達!

では微力なので、富裕層マダムたちに、もっともっとパトロンになってほしいと思います。

 

文責/篠井 棗

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