幕末~明治の着物姿

上野彦馬の世界

 

みなさま、ごきげんよろしゅうございます。

ゆかたシーズンは終わったし、単衣着物は持っていないし。

というわけで、9月は着物をちょっと一休み。そんな方も多いのではないでしょうか。

秋の冠婚葬祭シーズンはまた袷の出番。

それまでは浴衣のお手入れでもしながら、こんな本で、

幕末~明治の日本人がどんなふうにきものを着ていたのか?を眺めてみるのはいかがでしょう。

 

上野彦馬の世界

 

坂本龍馬ら幕末の志士から美人芸妓、着物姿の外国人まで、

幕末から明治時代にかけた当時の貴重な写真がふんだんに紹介されている本が出た。

西南戦争(1877年)の「戦場写真」も収められている。

 『レンズが撮らえた 幕末の写真師 上野彦馬の世界』(小沢健志・上野一郎監修、山川出版社)は、

「日本の写真の開祖」とも称される上野彦馬の作品や事績を豊富な写真と解説文で紹介した記録集となっている。

「秘蔵写真」も多数収録されている。

多くの人が「見たことがある」と言いそうな坂本龍馬の写真も載っている。「上野彦馬の写真アルバム」の章の一コマだ。

和服に洋靴の出で立ちで腰掛け、カメラとは別方向を見据えている。説明文には「慶応2年(1866年)撮影」とある。

彦馬は、長崎で文久2年(1862年)、写真師として開業した。湿板写真を使っていた。

以降、多くの弟子達が彦馬のもとから巣立っている。

人物写真では、長崎市のグラバー園で知られるトーマス・グラバー(文久3年=1863年撮影)などが紹介されている。

明治時代の写真で、美人芸妓や和服を着た「西洋人」女性を写したものもある。

西洋女性は、畳の上に正座をしているようで、うちわを右手に持っている。どんな立場の女性だったのだろうか。

いずれも100年以上前の写真とは思えないほど鮮明にその表情を伝えている。

風景写真もあり、長崎の高島炭坑や西南戦争の激戦地、田原坂(熊本県)の一角が克明に記録されている。

彦馬は、西南戦争撮影のために現地に出向いており、いわば戦場カメラマンでもあったわけだ。

写真だけでなく、大学教授らによる「上野彦馬の写真史における位置」などの解説文やコラムもあり、

当時の「写真」をめぐる状況を垣間見ることができる。

2012年8月20日発行。1680円。

 

 

あの有名な坂本龍馬の写真ですね。袴姿にブーツ!いまどき着物男子にもぜひ真似してもらいたいコーディネートです。

この頃は「普段着が着物。そこに洋装が入ってきた」わけですが、今は逆に「普段着が洋服。そこに着物ブームがやってきた」という具合。

和洋折衷なのは一緒なので、色々と参考になりそうな写真がありそうです。

昔の写真を見て思うことは「みんなそんなにカッチリ着てないなぁ」ということ。

半衿は何センチ出して!衣紋はこぶし一つ分抜いて!等々。

今の着付けは、とにかく一ミリたりともゆるがせにしてはいけない雰囲気です。

でも、日常着て動いていれば当然着崩れもします。まして自分で着るのに、いちいちピタッピタッと着なくてはダメでしょうか?

昭和初期頃までは、婚礼写真だってわりとルーズに着ているんですよね。

まじめな学術書ですが、この頃の和服姿を映した写真の掲載された本は、着こなしや柄あわせ、髪形を眺めるだけでも楽しいです。

また、当時の人は「きもの=毎日着る衣服」としてごく自然に着ていますので、現代とは違う「衣服と体の接点」を見てみるのも、目からウロコの新鮮さで面白いと思います。

文責/篠井 棗

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