セレブの嫁入り道具展

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みなさま、ごきげんよろしゅうございます。

「春に三日の晴れ間なし」と言いますが、

まったくその通り。

天候の目まぐるしさから来るものなのか、

心も体も不調になりがちな季節です。

あまり無理せず、ぼちぼちがんばりましょう!

 

 

都内の不思議な美術館の一つ、三井記念美術館にて開催中の「三井家のおひなさま」展をご紹介します。

戦前から続く大財閥・三井家に代々受け継がれてきた雛人形を紹介する企画です。

 

なぜ三月三日が過ぎたのにおひなさま展の紹介などするのかと言えば、会期が4月3日までだからです。

旧暦の節句まで開催、ということなのでしょうか。

 

どれも保存状態がよく、さすが天下の三井家、

漆器も銀器も絹衣装もすべてが、贅と技をつくした逸品ぞろいとなっています。

 

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三井家のおひなさま (三井記念美術館HP)

 

こじんまりとした美術館なので、名品ぞろいの展示をゆったりと楽しめます。

しかし、不思議だと思ったのは、せっかくのおひなさま展なのに、

桃の節句直前の週末に、設備点検のため閉館になっていたこと。

ホームページに告知もないし、なぜこんないい日に閉めてしまうのか・・・謎。

やる気がないですよね~。

 

企業が入っている総合ビルは、平日の設備点検が無理なので、

そういう日程になったのでしょうけれども、気が利かないことはなはだしい限りです。

 

まぁ、三井財閥がバックについているから、

入館者増に躍起になる必要がないほど、殿様商売なのでしょう!

 

そんな美術館のポリシー(?)が充満しているのか、あくせくしない優雅さを満喫できるこの企画展。

雛人形は、どんなに苦しい生活でも我が子の健やかな成長を願って、

少しでも立派なものを誂えようというのが庶民の子を思う気持ちでした。

まして、名家×財閥の嫁入り道具である雛人形が、途方もなく豪華なつくりなのは言うまでもありません。

金に糸目を付けずに制作された名品を娘に持たせて嫁がせたことが、ひしひしと伝わってきます。

有職雛・享保雛など、時代の流行に合わせて作られた数々のお雛様。

特に明治~戦前までは、職人の技が爛熟期となっていたため、

ちょっと眼がくらむほど、微に入り細にうがちの懇切丁寧な仕事ぶりとなっています。

 

ミュージアムショップでは、毎年何気なく飾っていた雛人形の歴史を学べる、

ムック本なども販売されていました。

記載されていた中で、特に可愛らしかったのが、「芥子雛」と呼ばれる人形です。

改革で質素倹約を強いた幕府の目を欺くために庶民が考えた、

わずか数センチのちいさな人形なのですが、倹約令の目をかいくぐって作られた芥子雛が、

その可愛らしさから流行のスタイルになった。という過程は、とても日本らしいエピソードです。

 

面白いのは、こうした倹約令を出した張本人である松平定信が、

娘の嫁入りのためには、豪華絢爛たる有職雛を作らせた。という事。

なんというダブルスタンダード!

さすが松平様、庶民にはわからない感覚で生きていらっしゃいます・・・

 

御上の事情はさておいて、贅沢三昧で作られた三井家のお雛様はやはり見応えがあります。

浮世離れした展示品の数々は、セレブの嫁入り道具ではありますが、

明治~昭和初期の名工たちの、素晴らしい技の結晶でもありますので、大変目の保養になりました。

 

わりといつでも空いていますので、

COREDO室町に買い物に行った帰りにでも、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

 

文責/篠井 棗

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