差別と偏見の見極めとは

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みなさま、ごきげんよろしゅうございます。

梅雨が明けた途端に、列島を猛暑が襲ってきました。

花火大会で浴衣を着る機会の多い季節。

屋外イベントでは、水分塩分補給と、ゲリラ豪雨でせっかくの浴衣がずぶ濡れ・・・

なんてことの無いように、天気予報で雨雲チェックもお忘れなく!

 

 

 

ボストン美術館はアメリカでも有数の規模を誇る名門美術館です。

さらに言えば、同館で企画展示されているモネの「ラ・ジャポネーズ」は、

大変人気があり、あちこちで展示されていますし、

画集や教科書などにも頻繁に登場する作品です。

 

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一見何の変哲もない組み合わせですが、なんともモヤっとする理由で、

ただ今絶賛大炎上中!になっているそうです。

 

ボストン美術館の「キモノ試着イベント」が中止に 理由は人種差別、白人至上主義?

(THE HUFFINGTON POST)

 

事の発端は、ボストン美術館が「キモノウェンズデー」という、

同作のモデルが着ている打掛を着てみよう!というイベントを行ったこと。

これがなぜか、人種差別だとか女性蔑視だとか大騒ぎになったそうです。

 

問題の焦点がいまいちぼやけているのですが、要するに、

 

① 金髪の白人女性がモデルなので人種差別

② ニッポンの伝統衣装「キモノ」をコスチュームプレイの道具として使っているのが、

オリエンタリズムに対する侮辱的行為だ

 

とまぁ、こんな具合らしいです。

館内で抗議行動をする人もいたりと、なかなか穏やかではありません。

 

さらに面白いのは、着物を取り上げるならホクサイを出せとか、

着物の歴史をちゃんと説明しろ、とか言い始めていること。

 

いやいや~。日本人だって着物の歴史ちゃんと知っている人ほとんどいないし。

もっと言えばニッポン=ホクサイっていう構図も安直で、

どっちがオリエンタリズムに対して無知なのかよくわからないですし・・・

 

炎上ってわりと権威のあるところに喰ってかかりたい人たちが起こしがちな行為ですが、

今回の件、どうにも集団ヒステリーっぽいところもあるようです。

 

人種のるつぼで差別に敏感なアメリカならではの問題提起だとは思いますが、

当事者である日本の着物関係者から言わせてもらえば、

②については、特に侮辱を受けたとは感じられないんですよね。

外国の方がどんな形にせよ日本のキモノに興味を持ってくれるのは嬉しいことですし、

美術館は全てにおいてアカデミックなアプローチをしなければいけない所でもありません。

集客のための軽いイベント、大いに結構じゃないですか。

そこでの体験が、着物への興味につながってくれればいいだけのことです。

日本人で西欧の服飾に造詣の深い方もいます。

逆に外国の方で和装に興味を持って、着付けから和裁までこなす方もいます。

フランス人の描いたキモノを白人がコスプレで真似してる!

と、いきり立つのは、逆に異文化間に壁を作っているとしか思えません。

 

また、モデルはモネの妻カミーユなので、白人で金髪なのはしょうがないことです。

だったら、黄色人種の日本人がゴシックな衣装を着てモデルになってはいけないの?

というパラドックスに陥ってしまいます。

もし、打掛を着てみるイベントが白人限定だとしたら、大変遺憾なことですが、

そうではなく、ジャポニスム隆盛時代に美しい着物に魅せられたフランスの画家と、

笑顔でモデルを務めた女性の気持ちをちょっと体験してみませんか?

といったコンセプトだったのでしょう。

同様のイベントが日本国内の巡回では大変好評であったことを踏まえても、

なんとも言いがかりじみた騒ぎであるように思えます

 

もちろん、人種や他国の文化に対する偏見・侮蔑は恥ずべき行為です。

決して許されることではありません。

しかし、差別アレルギーが嵩じたあげく、集団ヒステリーになってしまい、

せっかくの楽しい異文化交流すべてを廃止に追い込むのは、「誠に遺憾な」行為なのではないでしょうか。

 

文責/篠井 棗

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