夢二学会発足

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みなさま、ごきげんよろしゅうございます。

今年の9月は、残暑がほとんどなかったせいか、夏と秋の境界線が暦の上でくっきりと目に見えたようです。

秋風涼しい季節は、グルメも旅行もスポーツも読書も・・・

楽しみたいこと盛りだくさんですね。

 

 

明治から昭和にかけて在野で活躍した画家、竹久夢二。

着物好き、大正ロマン好きな女性を魅了している画家ですが、

大衆画家としてポストカードや雑誌の挿絵など印刷媒体の仕事が多かったこともあり、

これまで学術的に研究されることはほとんどありませんでした。

このほど、生誕130年という節目の年に、竹久夢二の画業を学術的・体系的に研究する機関として、

竹久夢二学会が発足する運びとなりました。

 

「竹久夢二学会」が創設 生誕130年で研究者ら (日経電子版)

 

各地に散逸している資料などを体系的に調査研究する機関が出来ることは、

夢二ファンにとっても、近代絵画史を学ぶ研究者にとっても、大変意義深いこと。

純粋芸術だけが学術研究の対象となりうる、という前時代的な制度に一石を投じる、

画期的な学会設立なのです。

 

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 夢二郷土美術館所蔵 「立田姫」

 

閉鎖的な美術史業界では、芸術と商業デザイン、絵画とイラスト、などと勝手に線引きして、

アカデミックな研究対象から排除してきました。

しかし、現代ではいわゆる「サブカルチャー」と呼ばれる分野も、

一つの芸術ジャンルとして認識されるようになりましたので、

乙女系カルチャーの元祖ともいうべき夢二式美人画が、絵画史の土壌で研究調査されることは、

今後の美術史を多角的に俯瞰するうえでも重要であることは間違いありません。

 

学会発起人は、近代絵画史研究の第一人者である帝京大学の岡部昌幸教授。

事務局は夢二の出身地岡山県岡山市に置かれます。

 

芸術の躍進はいつの時代も、アカデミーを批判した場所から生まれるてきました。

印象派もラファエル前派も中央画壇への反発から新しい潮流を生み出したのです。

 

漫画やアニメも今や立派な芸術のジャンルとして世界に認められているわけですから、

芸術の本筋から離れた(=自分の頭で理解できない)ものを排除してしまうのでは、

片手落ちの芸術観と言わざるを得ません。

 

埋もれた芸術家を発掘して再評価する活動を長年続けてこられた岡部教授が、

アカデミックな視点で竹久夢二を検証する機関を発足されたことは、大変意義深いことだと思います。

 

芸術論などは、一般の着物好きには縁遠い世界のようですが、

浴衣デザインも手がけた竹久夢二は、現代和装にも多大な影響を与えた人物。

これを機に、美術学会の動向にも注目してみてください。

 

文責/篠井棗

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