龍馬は誰に殺されたのか

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みなさま、ごきげんよろしゅうございます。

7月に入って、ようやく夏らしい晴天となりましたが、

どうやら梅雨はまだ開けていないようです。

今までの豪雨は、梅雨前線ではなく、ただの低気圧だったとか・・・

これからじめじめした天気が続きそうですが、

気分だけでも夏に向けて晴れ晴れとしていきたいものです。

 

 

 

 

企画演劇集団「ボクラ団義」、ご存知でしょうか。

本格的な殺陣を取り入れたエンターテイメント性の高い舞台を意欲的に発表している、若手中心の劇団です。

6月定期公演が、着物好きにとっても歴史好きにとっても非常に興味深いものでしたので、ご紹介します。

 

 

企画演劇集団ボクラ団義 vol.14
「耳があるなら蒼に聞け~龍馬と十四人の志士~」

 

「耳があるなら蒼に聞け~龍馬と十四人の志士~」

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歴女に大人気の幕末もの。

さらに坂本龍馬暗殺の顛末を、容疑者が語る・・・

という、幕末好きならば誰もが一家言持っているであろうテーマに、果敢に挑んだ意欲作です。

 

龍馬暗殺から3年後の箱館(函館)五稜郭陣営。

元土佐藩士に捕縛された一人の浪人が尋問を受けている。

男の名は、元京都見廻り組・今井信郎。

そこに現れたのは、自由民権運動で歴史上名高い板垣退助。

板垣は今井と対峙し、「あの夜」の真相を語らせる・・・

 

現在定説となっている龍馬暗殺を自白した男、今井が語る近江屋の一夜。

慶応3年11月15日の夜、誰がその場に居合わせ、そして人々は何を語り、どのように動いたのか---

 

大胆な仮説に基づいた、驚愕の真実。

龍馬暗殺の黒幕はいったい誰だったのか。

そして、龍馬と中岡慎太郎を絶命させたのは・・・?

 

奇想天外な設定の脚本ですが、

ロジックで固められたストーリーと、過去~現在を行き来する複雑な演出。

多くの登場人物が次々と語る「その日」に至る布石。

 

脚本・演出の久保田唱さんは、2時間半という凝縮された時間の中に、

よくもここまでまとめ上げたものだと、終演後は思わず唸ってしまいました。

歴史エンターテイメントとして、上出来な部類ではないでしょうか。

 

その上、これだけ重厚な内容にもかかわらず、エンターテイメントを忘れないのが、この劇団の魅力です。

殺陣師・沖野浩司さんが龍馬を演じているわけですから、刀を使った見せ場は盛りだくさん。

中野ポケットはそれほど広くはない劇場ですが、階段を使った舞台装置を駆使して、

縦横無尽に駆け巡る役者陣のアクションは、最高に見応えがありました。

 

史実ではパッとしない役回りだった今井信郎にスポットを当て、

函館で真実を語らせるという意外でありながらも説得力のある設定。

今井役には、ボクラの看板役者の一人である竹石悟朗さん。

勢いが勝りがちな若手が多い中、しっかりと地に足の着いた演技で見事に物語に一本筋を通していました。

 

また、坂本龍馬役の沖野晃司さんは、風貌から龍馬に寄せてきたということもありますが、

龍馬役をやる役者さんにありがちなオーバーな演技もほとんどなく、

一般的に流布している龍馬のイメージを素直に踏襲しているところに好感が持てます。

今回のストーリー上、龍馬に現代風の味付けなどは必要ないので、

主役でありながら、抑えた演技は、まさに稀有な存在感となっていました。

 

伏線を張り巡らせた、複雑な脚本と事象を説明する長台詞のため、多少駆け足気味の感はありますが、

大政奉還~明治維新の立役者たちが、まさかの暗躍を見せ、

二転三転する展開は、ミステリー要素満載で最後までハラハラさせられます。

 

舞台にありがちな時代考証を無視したちゃらちゃら衣装もほとんどなかったので(むしろ地味すぎる!)

衣装が気になって舞台に集中できないということもありませんでした。

 

ボクラ団義はキメッキメの殺陣が売りの劇団なので、時代物を数多く上演しています。

イケメン&美女達が、着物姿で派手な演武を披露しているので、

ともすればアイドル劇団と思われそうですが、

なかなかどうして、脚本のひねり方、役者の魅せ方・・・。

口うるさい演劇マニアも黙って見過ごせない仕上がりとなりました。

 

次回定期公演は12月とのこと。歴史好きも着物好きも目を離せない劇団です。

 

文責/篠井 棗

 

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