パナソニック汐留ミュージアムの貴族趣味

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みなさま、ごきげんよろしゅうございます。

あっという間に六月晦日

2014年も半分過ぎ去ってしまいました。

ワールドカップでは日本のみならず、アジア勢が全滅という、悲しい結果になってしまいましたが・・・

決勝リーグの息詰まる戦いは、まだまだ続いています。

世界レベルの華麗なるプレーを堪能して、四年後の日本チームの成長に思いを馳せましょう!

 

 

 

パナソニック汐留ミュージアムにて、6月22日まで開催された「フランス印象派の陶磁器」展。

日本の浮世絵がフランス陶磁器に与えた影響を、年代を追って鑑賞することのできる展覧会で。

名称は「印象派」でしたが、どちらかと言えば「ジャポニスム」が前面に出ていたような内容でした。

 

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フランス印象派の陶磁器 1866-1886 —ジャポニスムの成熟— (パナソニック汐留ミュージアムHP)

 

一般の方は、印象派は知っていても、ジャポニスムはあまりご存じないかもしれません。

パリ万国博覧会日本館で展示された日本の伝統工芸品や、大量に流出した浮世絵版画などが、

ヨーロッパの芸術家たちに多大な影響を与えたムーブメントを指します。

 

当初は銅版画家ブラックモンによって紹介された浮世絵版画が、

芸術家の間で大流行していました(ジャポネズリー=日本趣味)

 

その後ロンドン・パリで相次いで開催された万国博覧会で、日本の陶磁器が展示され、

一気にブルジョア階級の生活様式にまで影響を与えることになりました。

(ジャポニスム=さらに踏み込んだ日本からの影響)

 

日本の陶磁器の卓越した技術と、単純な線描であらわされる浮世絵のモチーフは、

フランスの磁器制作に大きく影響を及ぼすことになります。

 

本展では、モノクロで輸入された浮世絵冊子から直接絵柄を借りた、

ジャポニスム初期のキッチュな絵皿から、フランスの洗練された絵付けに日本趣味を融合させた、

芸術品としても完成度の高い後期の作品まで、網羅的に陶磁器類を展示。

また、一点の皿だけでは理解しづらい食器類のコーディネートを、

3か所のテーブルコーディネート再現によって、より時代の雰囲気に近づけた展示となっていました。

 

はじめは写生画帳の静物をそのまま皿などに描いていた、泥臭い異国趣味のルソーシリーズが、

アビラント社の高質な磁器によって、ジャポニスムがより洗練された形で

ヨーロッパ趣味の中に取り込まれていく様子が、一目でわかる、良質な企画展示会となっていました。

 

新橋駅から徒歩5分。パナソニックショールームの上階にある、こじんまりとした美術館です。

大きな美術館では企画されない、陶磁器というちょっと地味なモチーフに目をつけるあたり、

大企業の片手間で文化事業やってる感じはありありなのですが・・・

かえって日本文化再発見にも繋がる上質な企画が出来るわけですから、

流行りものが好きではないひねくれた美術愛好家には、一定の需要はありそうです。

パナソニックの資金力という強力な後ろ盾があるのですから、

今後も金に糸目を付けず、貴族趣味に走った上質な企画展をバンバン開催してほしいものです。

 

文責/篠井 棗

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