おなかの底から笑いましょう。

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みなさま、ごきげんよろしゅうございます。

梅雨入りしたはずなのに、ちっとも雨が降りませんねぇ。

いわゆる「五月晴れ」が続いています。

が、しかし。雨が降っても槍が降っても、着物は単衣のシーズンです!

むしろ、浴衣が着たくなる気温なんですけれど・・・

 

 

 
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暁斎が描く狂言の会

 

河鍋暁斎の名前はこの際知らなくていいです。

重要なのは、どんなきっかけであれ、「着物着て笑いに行く場所がある」ということ。

同じく「笑い」を楽しむ伝統芸能である、寄席と狂言。

どちらの方が今、私達に身近かと言えば、やはり舞台を現代にした新作落語を創作したり、

若手落語家がテレビに出ていたり、映画やドラマで題材になったりと、

何かとメディアに登場回数の多い落語の方が、敷居は低い気がします。

それでも、もともとは狂言だって庶民の娯楽だったのですから、

一度敷居をまたいでしまえばそれはそれは濃密な笑いの空間を提供してくれるのです。

そんな「実は面白いのに、まだまだ縁遠い」狂言。

今回は江戸~明治期に活躍した絵師・河鍋暁斎の展覧会に合わせて、企画された舞台でした。

多くの題材を描いてきた暁斎ですが、大蔵流の狂言を習っていて、狂言画も多数残しています。

この狂言画の特別展を三井記念美術館で開催することから、今回の企画は生まれたようです。

今回の演目は

「三番叟」

「伯母ヶ酒」

「茸(くさびら)」

の、三本立て。どの演目も、暁斎と縁が深いようです。

このあたりの背景については、法政大学の先生が、ちょっとお堅い解説も付けてくれました。

室町時代に猿楽から発生した狂言。成立時期は能とほぼ同じです。

観阿弥・世阿弥によって究極の芸術に高められた能は、今では至高の芸術となっていて、

我々庶民には少々雲の上の感が否めません。

しかし、狂言は違います。

直面(ひためん=お面を付けない素の顔)ですので、表情もよくわかりますし、動きも大げさです。

ところどころ単語の分からないところもありますが、

そんなこと気にならないくらいストーリーは分かりやすい。

今回の3本の中では「茸」などは、小学生が観ても爆笑してしまう面白さです。

家中にお化けキノコが大発生して困っている男が、有名な山伏に祈祷を頼む。

が、もったいぶってやってきた割には、山伏が祈祷するたびにキノコはどんどん増える。

その上このキノコ達がうろちょろ動き出して、山伏と依頼主の男の袖を引っ張ったり、

追いかけまわしたりとやりたい放題。

そして、いよいよ橋がかりからキノコの親玉が登場してきて・・・。

と、なんとも奇想天外なストーリー。

このダメ山伏役を、今をときめくスター狂言師・野村萬斎さんが演じているので余計おかしかったりします。

始まる前は、途中で飽きて寝ちゃったりしたらどうしよう~。

と、心配でしたが、あっという間に終演を迎えてしまいました。

 

和の雰囲気抜群な国立能楽堂。

6月初日ということで、ツウなお客様方が、単衣の着物に軽やかな染帯を締めて観劇されていました。

着物をもっと広めるために。紋服や狂言衣裳のステキ男子を楽しむ(?)ために。

狂言は本当に素晴らしい場所だと思います。

なんせ激しいメイクの歌舞伎や、原則面をつけて演じる能と違って、直面ですから、

たっぷりお顔も拝見できるというわけです。

本格的なファンの方からは怒られそうですが、

まずは、着物を着てお出かけ→ところどころ台詞がわからないながらも、大笑い→

あら、ちょっと素敵な殿方が演じていらっしゃるわ・・・

という感じで、気軽に狂言初体験してみるのもよろしいのではないでしょうか?

真面目(?)な着物好きとしては、

織と刺繍が絢爛豪華な舞台衣裳を堪能するのも、また一興です。

 

文責/篠井 棗

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